2017年8月 当歳らんちゅうの育成

8月中旬となり、今年も早いものでもうすぐらんちゅうの品評会の季節が始まろうとしています。

当歳魚たちは、前回のご紹介のあとすぐにすべての個体の色変わりが終わりました。この写真は7月29日の撮影です。

そして、こちらは8月12日の撮影。財布に100円硬貨が入っていなかったので、50円硬貨で撮影しましたが、らんちゅうたちが順調に育って大きくなってきているのがおわかりいただけるかと思います。
白ばかり3匹で写っていますが、実際白は全体の半数くらいいて、素赤は2匹だけ。あとは白勝ち更紗数匹と、ふつうな更紗が1匹という構成なので、ぱっと見「白ばかり」な印象です。

こちらが今回唯一きれいな更紗模様をもつ個体です。ところが残念なことに、写真ではわかりづらいのですが、尾がちょっと傾いているようなのです。

こちらはちょっと体が小さめで、頭の発達も弱めな個体です。色柄は体も尾もよくありませんが、今のところ尾の感じがよいのでこのままうまいこと育てられればと思っています。

こちらは白勝ち更紗の個体です。去年もこんな感じの色柄・体型をした個体がいました。

これらは、すべて今年の5月に山田芳人さんから分けていただいた当歳魚ですが、山田芳人さん自身の育成魚は今どんな感じになっているのでしょう。らんちゅうは、育成する人によってまるでちがう仕上がりとなることがめずらしくありません。むしろ、同じようになることの方が珍しいかもしれません。
体の大きさのちがいより、らんちゅうとしての全体的な育ち具合の差がものすごく出てきているのではないかと気になるこの頃です。


2017年7月 当歳らんちゅうの育成

今月も、当歳魚たちのようすからお伝えします。
今頃の時期、金魚専門店の店頭に並ぶ当歳魚たちはもうほとんどが色変わりを終えているどころか、中には同じ当歳魚とは思えないかなり大きなサイズのものもみられます。
弊社で育成中の当歳魚たちのようすはというと‥‥

最近になって一挙に色変わりが始まりました。飼育容器の色が水色という明るい色のせいか、全体に白っぽい更紗が多いような気がします。サイズはまだこんな感じで、この時期の当歳魚としては小さい方かと思います。

それでも、山田芳人さんがおっしゃっていたとおり、肉瘤のよく発達しそうな顔になってきています。

この当歳魚たちも、もう1か月もすればだいぶらんちゅうらしい姿になってくると思います。現在は、冷凍アカムシを1日に2回、それ以外には星更紗の特小粒と夢更紗を少しずつ与えています。水換えは3~4日に一度で、すべて新しい水に交換しています。

さて、こちらは昨年山田芳人さんから送っていただいた卵から育てた二歳魚です。この個体は育て方の問題のせいか、肉瘤の発達がちょっと弱い感じです。このときの兄弟魚の中では全体的にまとまった感じのする個体なのですが、体は他の個体たちより小さめで、泳がずじっとしているときに頭を下げてしまうという重大な欠点があります。

頭を下げるといえば、こちらの二歳魚も同じです。最近、ちょっと肉瘤が発達して頭の雰囲気が変わってきたような気がします。

三歳魚は、とくにメスが内臓に脂肪が付きすぎているのか、泳がないでじっとしていると背中の一部が水面から出て出血することがあります。餌を与える量を減らすと泳ぐようになり出血も収まりますが、こんな感じの状態を繰り返していてるので、思い切ってしばらく餌の量を減らした状態でようすをみようと思います。

次回も当歳魚のようすをお伝えしたいと思います。


2017年6月 当歳らんちゅうの育成

先月、ついに山田芳人さんから荷物が届きました。

もちろん、その中身はらんちゅうの当歳魚です。今年は昨年とはちがい、卵ではなくふ化したばかりの稚魚が送られてきました。


餌はふ化したてブラインシュリンプを与えます。金魚飼育の場合、熱帯魚とはちがってブラインシュリンプの卵の殻を分離したり、塩水から淡水に戻すといった作業はあまり一般的ではありません。しかし、弊社ではメダカやグッピーその他にもブラインシュリンプを与えているので、卵の殻だけは分離してから与えています。

その当歳魚はこれまで2回選別作業を行い、現在は100匹ちょっとくらいずつを2つの飼育容器に分けて飼育中です。つい最近になって冷凍アカムシを与え始めました。アカムシを食べられるようになると、体の大きくなっていくスピードが速く感じられるようになります。

こちらは、昨年二歳魚どうしから得られた当歳魚の中で、唯一の「四つ尾」として残した個体です。昨年、本ブログにて角度によって良く見えたり、見えなかったりといったようすを何度もお伝えしました。写真で見てもよくわかりませんが、泳ぎはあまり上手ではなく、静止すると頭を下げがちです。体も小さめで、秋までにいわゆる二歳魚サイズにするのは難しそうな気がします。

上の個体のメス親はこちらの白の三歳魚です。現在もとても調子がよく、どんどん体も大きくなってきています。秋までには品評会の三歳魚サイズになるのはほぼ確実です。しかし、この柔らかすぎる尾びれ…このように尾を振って泳ぐと尾のかたちがわからなくなるほどです。今はこんな姿ですが、当歳魚のときはもっと尾に張りがありました。

この白の個体の当歳魚のときの姿です。2015年6月のちょうど今頃に撮影したものです。

こちらも三歳魚です。オスと思っていたのですが、今春卵を産みました。結局、三歳魚でオスなのは2匹だけで、あとはすべてメスでした。中には、卵も産まず追星も出ず、という個体もいますが、この三歳魚も昨年二歳魚のときには卵を産みませんでした。今年は春先からどんどん餌を与えていたら、あっという間にお腹が出てきました。そしてある日、大量の卵を飼育容器内にばら撒き、飼育水は産卵によって泡だらけになってしまいました。こんなことを他のメスと交互に何回か繰り返していたのですが、最近この産卵ラッシュもようやく終わりを迎えたようです。

次回も当歳魚のようすをお伝えしたいと思います。


2017年4月 当歳らんちゅうの育成

桜の季節も終わり、気温もあがって本格的な金魚飼育のシーズンが始まりました。
例年であれば、らんちゅうの当歳魚の成長のようすをお伝えしている時期ですが、今年はまだご紹介できない状況です。らんちゅう以外の品種なら当歳魚がいるのですが、本ブログはらんちゅう専門とすることにしましたので、今回は、以前(2015年)撮影した当歳魚が成長していくようすをご覧いただくことにします。
1週ごとに撮影した画像を順に並べてみました。画像はサイズ比較用の100円硬貨がすべて同じ大きさになるようしてあります。
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2017年3月 当歳らんちゅうの育成

昨年の今頃は、突然山田芳人さんかららんちゅうの卵が届くというびっくりする出来事がありました。じつは山田芳人さんに「今年も少しだけでいいので卵を分けてください」と厚かましくもお願いしてあります。もちろん、それは本ブログで当歳魚の成長のようすをご紹介するためなのですが、今のところまだ卵は届いていません。しかし、そろそろ繁殖関係の話題に触れなくてはならない時期です。まだタイトル通りの「当歳らんちゅうの育成」はスタートできませんが、今回は1月の尾張優魚会の交換会のときにご紹介した明け二歳魚を先日撮影させていただきましたのでそちらをご覧いただきたいと思います。

あれから2か月が経過しました。真上からの見た目はそれほど変わっていないようですが、腹はやや膨らんできているような気もします

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