2019年5月 らんちゅうの育成

今年の5月後半は30℃を超える日が何日もあり、まだ6月前だというのにすっかり真夏のようです。前回の本ブログで「4月下旬にもなると暖かい日が多くなってきました」などと呑気なことを言っていたのがなんだか遠い昔のことのようです。

5月に入ってから、二歳魚、三歳魚のメスたちが相次いで産卵を始めてしまいました。二歳魚のメスはぜんぶで三尾いて、オスに追われるのをふせぐため、メスだけで同じ飼育容器で飼育しているのですが、一度にみんな産卵して飼育水はドロドロです。飼育水を抜いてみると、飼育容器には何千という卵がびっしりと付着しています。ホースから出てくる水道水で流した程度では、この卵は流れていってくれないので、スポンジを手にもち飼育容器全体についた卵をとりのぞくのが大変でした。

前回、「日中は飼育容器の底でじっとしていることが多く、エサもあまり食べていない」とご紹介したこちらの個体。産卵したらすっきりしたのか、ふつうにスイスイと泳ぐようになり、エサも他の個体と変わらないくらいよく食べるようになりました。

あまりエサを与えすぎると、またすぐに産卵してしまうのが悩みの種です。しかし、産卵しなくなる時期までエサを減らしてやり過ごすとなると、やせてしまうのでこれも考えものです。卵を産んでしまったら、その時はあきらめて飼育容器のそうじをするしかないのかもしれません。

もう1匹の黒の個体はオスですが、この1か月の間に体が少し大きくなってきました。

頭もとてもよく出てきています。色がメスの個体よりも黒いので迫力があります。

さて、先月に山田芳人さんからいただいた卵から孵化した当歳魚の現在のようすです。

卵から稚魚がふ化したのは4月18日でしたが、数が少なかったのでずっとそのまま育てていました。

数は少なくてもこんな感じの尾開きをした魚がみられるので、成長がとても楽しみです。


尾張優魚会 弐歳会(2019年)

2019年5月12日(日曜日)、愛知県清須市にある「はるひ夢の森公園」において、山田芳人さんが会長をつとめる尾張優魚会の弐歳会が開催されました。
当日は夏を思わせような暑さで、昼頃には気温は30℃くらいまで上がりました。

審査前の会場のようすです。
出品魚は出品者自身が洗面器に入れ、そのまま審査されます。

参加者の皆さんの前で挨拶をする山田芳人さんです。

審査が終わると、らんちゅうの入った洗面器はこのように台の上に乗せられ展示されます。

今年1番に選ばられたのは会長の出品魚、つまり山田芳人さんのらんちゅうでした。
このらんちゅうは、先日山田芳人さんの飼育池を訪問させていただいた際に撮影させていただいたのと同一個体です。太さと尾の良さがとても印象的で、更紗模様の配色が良いこともあり、ひときわ目立つ存在でした。

東大関 山田 芳人(清須) ※敬称略、以下同

西大関 渡辺 敦(犬山)

立行司 山田 芳人(清須) 

東取締 小濵 照明(三重)

西取締 小濵 照明(三重)


2019年4月 らんちゅうの育成

4月も中旬がすぎ下旬にもなると暖かい日が多くなってきました。それにともないらんちゅうたちのエサを食べる量が増えて、飼育水の汚れるのが早くなってきました。

こちらはふだんあまりご紹介することのない三歳魚たちです。一番小さい左下の個体はオスで間違いありませんが、他の2匹について今ひとつはっきりしません。

こちらの黒の二歳魚は、最近頭をあげて変な泳ぎ方をするようになってしまいました。日中は飼育容器の底でじっとしていることが多く、エサもあまり食べていないようすです。内臓関係を悪くしたのかしれません。

上の黒の個体といっしょの容器で泳ぐこちらの白の個体は、体調が良いせいか最近フンタンが発達してきました。尾はやわらかすぎるのであまり見栄えがしませんが、エサを与えると真っ先に寄ってきてガツガツ食べるので、見ていて気持ちが良いです。

2月にもご紹介したこちらの素赤の個体も調子は悪くありません。

こちらの元「黒」だった個体は、少し赤が強くなってきました。それにともない頭部分の色もはっきりしてきています。白の面積が増えてきているので、もしかすると、最終的にはほとんど頭は白になってしまうのかもしれません。

撮影中、黒のオスが赤のメスのお腹をさかんにつっつく動作を繰り返していました。この赤の個体は卵を持っていて、この撮影の翌日には産卵しました。他にも2〜3匹のメスが同時に卵を産んでしまい、飼育水はどろどろで泡だらけです。そのままにしておくことはできないので、水をぬいて容器にびっしりついた卵をスポンジで洗い流し、新しい水と入れ換えました。

先日、毎年送っていただいている山田芳人さんのらんちゅうの卵が届きました。


卵は無事孵化しました。今年も当歳魚の成長のようすを本ブログでご紹介していきたいと思います。


2019年3月 山田芳人さんのらんちゅう飼育

先日、昨年6月以来半年以上ぶり、今年初めて山田芳人さんのらんちゅう飼育池を訪問させていただきましたので、そのようすをご紹介します。

ご覧のように二歳魚はどの飼育池にもたくさん泳いでいました。訪問した日は晴れて暖かかったこともあり、らんちゅうたちはよく泳ぎ浮上性のエサをつついています。


波板で覆われた池は、ヒーターによって加温されています。

山田芳人さんが、「黒いらんちゅう」をすくって見せてくださいました。

今年は、黒いランチュウのオスとメスがいるので、採卵してみるのだそうです。

二歳魚をいくつか洗面器に入れて撮影させていただきました。


こちらの二歳魚は尾型が抜群で、その上とてもきれいな配色をもつすばらしい個体です。秋の大会での活躍が今からとても楽しみです。

こちらは、秋の大会の頃には特大サイズに仕上がりそうな親魚です。当歳の頃は素赤だったのが、こんな絶妙な配色に変わったのだそうです。

今年は、例年よりも早く産卵したとのことで、訪問時にはすでにこんなサイズの稚魚がたくさんみられました。

洗面器には、稚魚に与えるふ化させたブラインシュリンプが入っていました。

昨年の6月の訪問時にもご紹介したサボテンは、その後さらにいろいろな種類が増えていました。


2019年2月 らんちゅうの育成

先月は、山田芳人さんが主宰する尾張優魚会の交換会がありました。まだまだ気温の低い季節ですが、その会場では「もう採卵した」という話も聞かれました。今頃は稚魚の選別が行われているのかもしれません。
2月に入ってからも相変わらずの寒さが続いていますが、今年は急に気温の高くなる日もあり、温度変化がはげしいのでらんちゅうの体調管理には気を使います。12月の中旬くらいまでは、タイマーを使用して少しだけ給餌していましたが、食べ残すことが多くなったので与えるのをやめています。そういうこともあり、最近では少し痩せてきてしまっているようです。
先日撮影した弊社で育成しているらんちゅうたちの現在のようすをご紹介します。

昨年11月には、まだ黒い部分を残していたこちらの個体。

現在は、ほぼ黒い部分はなくなりこんな姿になりました。赤色が全体に強くなってきているようです。

素赤になるのかと思っていたら、フンタンはどうやら白になるようです。

一方、昨年11月こんな感じだったこちらの個体は…

少し赤が濃くなったかな、という程度であまり変化はないようです。

昨年11月にはこんな感じだった黒いこちらの個体は…

現在は、さらに真っ黒になっています。

もう一匹いる黒い個体といっしょに撮影してみました。画像で上側の個体は、腹が赤くなってきています。

そして、最後は明け三歳魚です。尾以外はサイズも含めそれらしくなっています。