2019年11月 らんちゅうの育成

今年も盛況だった11月3日の全国大会も終わり、らんちゅう飼育もこれからしばらくは休みの時期に入ります。
今年は夏から秋にかけて、全国各地で自然災害が多く発生しました。なんでも地球温暖化の影響で災害の規模は年々大きくなってきているのだとか。これ以上被害が大きくなることがないよう祈るばかりです。

さて、今年4月に山田芳人さんからいただいた卵から4月18日に孵化した当歳魚の今月のようすです。
8月の本ブログでは、「今年はどうやらこの二匹が最後まで残りそうです。」とお伝えしましたが、結局最終的には下の素赤の個体一匹だけになりました。あいかわらず、ちょっと寸詰まり気味で尾は傾いて付いていますが、頭・フンタンの具合はなかなか良い感じになりました。小さい時期からの「片腹」もあいかわらずです。

今回は、この素赤の個体の成長のようすをご覧いただきたいと思います。
まずは、5月26日(ふ化後38日)のようすからです。すでに、この時点で尾は傾いた感じですが、この1匹だけ他の魚とは少し雰囲気がちがっていました。写真では実際のサイズがイメージしにくいのですが、この時期はまだかなり小さく、画面上で画像を拡大して見るほうが細部までよくわかります。

6月30日(ふ化後72日)のようすです。
そろそろ色が変わり始めるかな、という頃です。頭が角張り、少しらんちゅうらしくなってきました。鱗がはっきりし、きれいに並んでいるのがわかります。

7月7日(ふ化後79日)のようすです。
上の写真の撮影から一週間しか経っていませんので、体型的にはあまり違いはありませんが、色がほぼ変わり終えています。

7月20日(ふ化後92日)のようすです。
体色は素赤になりました。これまで弊社で育成してきたらんちゅうの中では、素赤の出現はどちらかというと少ない方です。

8月19日(121日)のようすです。
肉瘤が発達してきて、巾も出てきました。この頃はからフンタンの発達が目立つようになってきました。

9月16日(148日)のようすです。
腰から尾びれの付け根にかけての部分の巾が出てきました。体色は少し濃くなったかな? という程度で、あまり変化はありません。

10月20日(ふ化後182日)のようすです。
写真では、そこそこ「秋の当歳魚」らしく見えますが、実際にはこの時点でまだ9月上旬くらいのサイズです。今年は例年よりエサやりを少し弱めにしてきました。そうしたこともあって小さめですが、成長不良というほどではないと思っています。

こちらは、これまで本ブログでこれまでご紹介したことはなかった当歳魚です。
弊社内で5月26日に採卵、5月29日にふ化しました。3000匹くらいふ化したと思いますが、それらしく育ったのはこの1匹のみでした。こうしてみると、オス親からの影響が大きいようで、頭は小さく瘤の出具合は弱め、尾の張りは強めです。背のラインは意外ときれいで、梶ビレは2枚揃っています。色が素赤で、頭がもう少し出てたらよかったのですが…

上の白の当歳魚のオス親です。尾型はしっかりしているのですが、頭が小さく、その上肉瘤の出具合がとても弱いので親としてどうかなと思いましたが、これしか使えるオスはいませんでした。

そして、こちらがメス親です。全身白になってしまっていますが、当歳の頃は更紗でした。頭の発達はとてもよいのですが、尾はオスとは真逆でとても弱いので頭部分のアップをとらえた写真を使用しています。