今回は、レプティリウムの保湿性及び湿度調整機能を利用してテラリウムをつくりたいと思います。
レプティリウムをこのまま利用して植物を植栽することも可能ですが、今回は発泡ウレタンで自作のバックボードを作製し、より立体感のあるテラリウムをつくりたいと思います。そこでまず市販の発泡ウレタンで背面のボードを作製します。
レプティリウムと、今回使用した発泡ウレタンスプレーです。
スプレー缶を良く振って一気に発泡ウレタンをつけていきます。
少しウレタンの量が多すぎる感じです。(失敗しないとなかなか感触がつかめません・・・)
作製したうちで大きさのバランスが良かったものです。適度な厚みと凹凸で、レイアウトを圧迫せず、前面のオープンスペースも確保できています。
小さな容器でつくる場合の注意点は、取説にも書いてありますが、ウレタンが2倍程度に膨らむ為、吹き付けるウレタンの量を少な目にする事でしょうか。
使用量の目安として、画像の1缶でレプティリウムMなら10個程度作製できます。使い切りの性格上、いくつかついでに作製しておくと良いと思います。
今回は、2缶で一気にレプティリウムS12個・M12個作製しました。ちなみに画像の商品よりひと回り小さいサイズもあるようです。
十分硬化したら、一度発泡ウレタンをケースから取り外します。ケース自体を軽くねじる、もしくは広げる感じで動かせば、簡単に取り外せます。
次に、シリコンでヤシガラをつけます。(画像は試してみたかったグレーの発泡ウレタンですが、手順は同じです。)
用意した素材です。
ヤシガラ・シリコン(防腐剤なしのもの)・ガンです。
まずシリコンを塗ってゆきます。
シリコンを均一に伸ばします。
大体均一に伸ばしたら、ヤシガラを多めにかぶせ手のひらで軽く体重を掛け押し付けます。
シリコンにくっつかなかった余分なヤシガラを軽く払い、十分乾燥したらバックボードの完成です。
発泡ウレタンを吹き付ける際、凹凸にこだわりたいところですが、その後のシリコンの塗布・ヤシガラの接着過程でかなりざっくりとした形状に変わってしまいます。また、凹凸を出すには大胆な吹き付けが望まれますが、ゲージ等の大型の飼育ケースならよいですが、レプティリウムではあまりやりすぎるとウレタンが膨らんで失敗してしまいます。ウレタンの量と容器の大きさのバランスが難しいところです・・・。
さて、下準備も完了したところでいよいよ水草を植栽してゆきますが、実際あとは水草等を並べるだけで、それ程大変な作業はありません。
今回は、下記のような準備をしました。
画像上段の左より、底床としてヤシガラ、アクセントとしてコケ・シダ・水草(実際水草はヘアーグラス・テネルス等水槽に植わっていたもの)、そして底床やバックボードのベースとして南米ウィローモスです。
モスは重なると活着しにくいので、できる限り薄く敷き並べます。シダや水草は、モスで根の部分を軽く巻き、そのまま低床に差し込みます。モスやバックボード(特にモス)を十分ウェットな状態にしておくと、モスがボードにくっつきやすく取扱いも楽です。
レプティリウムSの植栽直後です。
レプティリウムMの植栽直後です。
単純に、バックボードにはウィローモス、底床には南米ウィローモスを薄く敷き、アクセントとしてシダを配しました。環境としては、水が溜まる底付近はウェットに、上に近づくに従い乾燥しやすくなるので、南米モスよりも比較的乾燥に強いウィローモスを壁側に配しました。使用するスライドドアは、保湿の為ウェット用スライドドアです。
そして今回作成したレプティリウムMの12個を並べてみました。手近にあったコケやシダ、アナナス・ヘアーグラスをランダムに植栽してみました。(2015.6.11撮影)
次にこちらも今回作成したレプティリウムSです。植栽初期は、草の量も少なく天井付近が乾燥しやすいので、週3(月・水・金)のペースで1日1回霧吹きを行います。できれば1週間程度は、毎日多めに霧吹きし、溜まった水はあく抜きをかねて排出する事をお勧めします。様子をみて霧吹き回数は減らしてもOKです。
基本的なテラリウム作成はこれで終了です。今後は、様子を見ながら適時手を加え、テラリウムの成長を楽しんでゆきたいと思います。
ちなみに下記画像は、2015年1月中旬に同様の方法にてつくったレプティリウムS・Mを3月上旬に撮影した画像です。
そして、その後のレプティリウムSを6月4日に撮影したのが下の画像です。比較的好条件の置き場所だったためモスや細長いクラマゴケが成長し、またヘアーグラスも負けじとランナーを伸ばしており、なかなかの経過です。
ここまでくると、モス等の保水力も高まるので、霧吹き回数を減らしてもきれいに維持できます。
次に下の画像が6月16日に撮影したレプティリウムMです。
小型のカエルを飼育している都合上、比較的暗い所(20W1灯の60cm水槽の横に置いていた感じ)に3か月ほど設置しいていました。モスは全面に匍匐する勢いでよいのですが、センタープランツのアナナスが多少勢いを失っています。(生き物も調子が良く環境を変えたくはないのでこのままの場所で管理しようと思います。)
今回つくったS・M各12個のレプティリウムも1月半後にもう一度撮影できればと思います。(2015.6.16筆)