山田芳人さんのらんちゅう飼育 9月

昼間は8月と同じような気温でも、夕方から夜にかけてはかなり涼しくなるようになってきました。らんちゅう飼育では、この日中の温度差がらんちゅうの見た目にいろんな影響を与えるようです。
今回、山田芳人さんの飼育池を見てびっくりしてしまいました。訪問前に電話で「魚、先月よりもだいぶ大きくなっていますよ。」と聞いていたので、サイズ的な部分ではさほど驚きはありません(とはいっても、本当にかなり大きくなっていたのでこれだけでも十分びっくりなのですが…)。何に驚いたかというと、とつぜんどの魚も品評会の会場で見るようならんちゅうに変わっていたからなのです。
先月撮影したらんちゅうを今回は7個体紹介していますが、先月の写真と見比べてもその変化は一目瞭然です。その中で、今回とくに気になったのは8-3の尾の変化です。8月の写真ではまだすっと横に開いた感じだったのですが、9月の写真では尾の両先を上手い具合に下げているのがわかると思います。これはほんの一例ですが、他の個体でも同様に多くの「良い変化」が見られます。今回も山田芳人さんに個体解説をお願いしましたので、先月とのちがいをじっくりとご覧ください。

夢吉

なかなか思う様に仕上らない魚で尾張りがイマイチです。色が早くから揚がり過ぎて、頭の発育もイマイチです。なんとか仕上げて地方大会入賞を目指したいです。DSC_8559

8-1

前回撮影より迫力が付き、ちょっとした癖も隠すようになってきました。もう少し腹形下がりますと見違える様な魚になると思いますが、思い通り行くか分かりません。水深を深くして餌やりを工夫しています。DSC_8394

8-2

前回撮影より寸が伸びて頭も仕上がってきました。顔の柄で少し損をしていますが、形は抜群で泳ぎも上手く品評会でも入賞する魚ですが、柄損と言うことで来年の種親候補です。DSC_8382

8-3

前回撮影より尾張りが良くなり、泳ぎも落ち着いてきました。成長が遅れ気味なのが悩みです。じっくり仕上げて行きたいと思います。DSC_8483

8-4

前回撮影より少し筒元が伸びた感じで、悪い方向に向かっています。多分オス魚だと思われます。これ以上伸びないよう気をつけて飼育していきます。DSC_8437

8-7

前回撮影より少し尾が張ってきました。夜間の水温低下で魚の泳ぐ時間が少なくなっています。 魚の調子が完璧ではなく、餌食いもイマイチです。もう少しボリュームを付け、迫力のある魚に仕上がると良いです。DSC_8555

8-8

前回撮影より色が揚がり迫力も出てきました。泳ぎが上手くおもしろい魚です。DSC_8599

8-9

前回撮影より少しやつれた感じがあります。魚の調子が完璧ではなく、餌食いもイマイチです。調子を取り戻してくれれば迫力を増し見違える魚に仕上がると思います。DSC_8569

9-1

腹形が付き過ぎている感じですが、品評会出品の時には餌切など調整します。即戦力です。DSC_8513

9-2

2004年の東西大関の血筋。寸の短い感じがします。もう少し背が伸びてくれればおもしろい魚になりそうです。9-2

9-3

この魚も 9-2 同様東西大関の血筋です。寸の短い感じがします。もう少し背が伸びてくれればおもしろい魚になりそうです。DSC_8552

今回の山田芳人さんの当歳魚はいかがでしたでしょうか? 「夢吉」だけが当初から撮影を続けてきたらんちゅうとなってしまいましたが、今月は新たに3個体を追加してご紹介しました。
今月末は、山田芳人さんが会長をつとめる「尾張優魚会」の品評大会が開催されますので、次回はそのようすをご紹介したいと思います。DSC_8601
DSC_8612

今回の最後は、らんちゅうを撮影する山田芳人さんのようすです。この時期はらんちゅうの写真を見せてほしいとよく頼まれるのだそうです。らんちゅうの撮影は、たんに写っていれば良い、というものではなく、いかにそのらんちゅうをかっこよく写せるかという点がもっとも重要です。でも、それがなかなか大変なことなのですが…DSC_8647

それでは、次回もお楽しみに。