2016当歳らんちゅうの育成 その3

前回もご紹介した赤白ペアから得られた当歳らんちゅうの色変わりが始まりました。この当歳魚は、現在も水量50リットル程のガラス水槽容器で8匹を飼育しています。
じつはつい先日、この当歳魚が調子を崩してしまいました。水換えを行った翌日の朝、すべての魚が泳がなくなってしまったのです。よく見てみると、体表が白く曇ったようになり、各ヒレやヒレの付け根部分が充血しています。どうやら、飼育水槽内に設置しているフィルターの汚れが原因で水質が悪化したようです。早速、水換えをして、汚れていたフィルターは撤去することにしました。きちんと手入れをすればフィルターは有効な器具なのですが、フィルターのメンテにかかる時間を考え、今回は使用するのをやめることにしました。
この当歳魚たちは、現在は調子が戻りエサを食べるようになりました。

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ところで、赤白ペアから先に生まれた当歳魚の中には、この下の写真の当歳魚のよう尾ビレの左右が極端にそり上がってくる個体がいくつかみられました。以前から、金魚店で販売されているこのような尾ビレのそり上がった当歳魚を見て、「こんな大きさになるまで、なんでこんな尾の魚を残しているのだろう?」と思っていたのですが、今回その理由がわかりました。それまではふつうだったのに、ある日とつぜんそり上がってしまうのです。
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ガラス水槽で横から見ていると、らんちゅうの背中のラインの日々の変化がよくわかります。尾芯が倒れたり、背が平らになったり、伸びたりするこうしたうれしくない「変化」は、ごく短い時間に起きていました。体の成長する早さや腹のつき具合などの微妙なバランスで、まったくちがった結果となるのでしょう。こうした「変化」を完全にコントロールするのは、まさに至難の業です。

こちらは、山田芳人さんから卵でいただいた方のらんちゅうの稚魚です。
水換えのペースがちょっと遅いせいで、水が緑色になっています。前回のご紹介から2週間ちょっと経っていますが、成長のスピードはやや遅いようです。

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今回は、四つ尾の個体を中心に選び、一部桜尾、三つ尾の個体も残しました。
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こちらは、冷凍アカムシを食べる二歳魚たちのようすです。水温があがってきてよくエサを食べるようになりました。白の個体はメスのようで、お腹が大きくなっています。いっしょに泳いでいるオスの個体も、追い星がしっかり出ていますが、今のところメスを追いかけるようすは観察できていません。
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