今月に入ってからは、すっかり冬らしい気温の日が続くようになりました。山田芳人さんの飼育池のある愛知県西部でも、屋外の飼育池ではお昼の時点で水温は10℃に届きません。今回の撮影はお昼すぎからだったのですが、この日は風が強く、実際よりもかなり寒く感じられました。そんな中、洗面器に新しい水を入れて池かららんちゅうをあげて撮影させていただきました。もう2週間はエサを与えていないということで、どのらんちゅうもちょっとやせていましたが、赤色はかなり鮮やかになっています。
それでは、今回もいつも通り山田芳人さん自身による個体解説とともに見事ならんちゅうの姿をお楽しみください。
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冬眠中で2週間ほど餌を与えていませんが、色がしっかり揚がってきました。魚も締まって良く見えます。上手く春をむかえる様祈ります。
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この魚は2004年の東西大関の系統です。来年はこの兄弟達が主力の種親です。
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「ヘッドライトフンタン」。来年の仕上がりに期待しています。筒の太みがどこまでついてくるか、体が大きくなれるか来年の楽しみです。
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夢吉の兄弟魚で綺麗な更紗です。尾がもう少し大きいと良かったのですが…
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大切な来年の種オスです。頭・鱗並び・尾形・泳ぎいずれも良いです。目幅があれば文句なしです。
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来年の種メス候補です。この頭と体形に尾形が付けばおもしろい魚が出来そうです。
夢吉
思う様に仕上がりませんでしたが、綺麗な更紗で鑑賞価値ある魚です。眺めているだけも楽しい魚です。
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冬眠中で腹の遠い感じする魚ですが、2歳で品評会用に仕上げます。
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尾形、泳ぎの良い味魚タイプの魚で、私の好きなタイプです。オス魚で体形が小振りなので、来年の品評会用に仕上げるのは難しい感じです。
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来年の種メス候補です。この頭、体形に尾形が付けばおもしろい魚が出来そうです。
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2012年大関の兄弟魚の子です。大関には似ていませんが血を残すため、種魚として使ってみます。
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2歳の仕上がりがとても楽しみ魚です。大型なりそうです。
らんちゅうたちは寒さのためほとんど泳いでいるようすはありませんが、らんちゅう池の 横に設置されている水槽ではエサをねだって寄ってくる金魚たちがいました。イギリスで改良された品種「ブリストルシュブンキン(Bristol Shubunkin)」です。
この品種は、日本では比較的最近になって紹介された新顔ですが、本場イギリスでの歴史はとても長く、愛好団体もあるといいます。
この金魚たちは、らんちゅうと同じ水温でも水槽内を活発な泳ぎ回り、エサを与えれば池のコイのようなすごい勢いで群がって食べます。体形がフナに近いため体質がらんちゅうよりも丈夫なのかもしれません。
今月最後の写真は、金魚ではなく熱帯魚のアロワナです。この魚もらんちゅう飼育池の横に設置された水槽で飼育されています。もともとは某熱帯魚店の看板魚で、当時は相当な価格だったそうですが、今は大きめの水槽でプレコといっしょにのんびり泳いですごしています。水槽に近づくとぬっと寄ってくるのですが、カメラのレンズをみせたとたん怯えて逃げていってしまう小心者です。
それでは、次回もお楽しみに。