2019年7月 らんちゅうの育成2

7月も中旬になりましたが、今年はまだ梅雨があけず曇りや雨のうっとうしい天気が続いています。たまに晴れて少し太陽が顔を出すと、一時的に気温は一気に上がります。しかし、あまり晴れることがないので、いつもの年より気温は低く感じられます。

さて、今回は二歳魚、三歳魚の食事のようすのご紹介からです。
こちらの二歳魚たちが食べているのは、弊社から発売中の製品「特選金魚の餌 星更紗 特小粒」です。


星更紗には「小粒」と、それよりもかなり小さな粒の「特小粒」の2種類があります。星更紗シリーズを監修いただいている山田芳人さんは、どちらかというと大きめの粒の「小粒」の方がお好みとのこと。
しかし、「小粒」の発売後、これよりもっと小さな粒もほしいとの声が多数寄せられ、それに応えるかたちで発売になったのが、この「特小粒」というわけです。もちろんこの「特小粒」も山田芳人さんはご使用になっています。

弊社でも、ふだんは二歳魚以上のらんちゅうには、体のサイズ(口のサイズ)にあった「小粒」を与えていますが、今回は製造ロットごとの品質確認のために試食してもらうことにしました。
弊社で育成しているらんちゅうたちは、みんな浮上性のエサを食べるのが上手です。粒の大小にかかわらず、エサの浮いているところにすっと近づき…

水ごと吸い込むようにエサを食べます。

こちらの三歳魚も同じようにエサに近づき…

「ぽちゃん」と大きな水音をたててエサを吸い込みます。

こちらの黒い二歳魚のオスも…

あまりエサが浮いていないところでエサをさがすように口をパクパクさせていました。

ここからは、4月に山田芳人さんからいただいた卵から4月18日に孵化した当歳魚たちの現在のようすです。

ほぼみんな色変わりが終わり、赤色が濃くなってきました。

今年は、昨年とはちがった当歳魚の育成方法ができないかと考えていました。そのひとつとして、「大きめの容器で飼育数を少なくして飼育する」ということを検討していたのですが、残念ながら大きめの飼育容器は設置する場所はありません。そこで、今年は「エサの与え方を変えてみる」ことにしました。これなら、大きな容器を用意する必要はありません。

エサの与え方を変えるとはいっても、そんなに大したことをするわけではありません。これまでは、体の成長速度を気にするあまり、いかに多くのエサを食べさせるかということばかりに重点を置きすぎていた感がありました。
しかし、病気にならないよう無事に育て上げられれば、それなりにみんな大きく育つことがわかりましたので、これからは尾の仕上がりをコントロールするような飼育方法を考えていきたいと思ったのです。

らんちゅうがエサをほしそうに寄ってくると、ついつい多くエサを与えしてしまいがちです。与えすぎないようにするというのは、じつは意外と難しいことかもしれません。今年は、エサを与えすぎないようにして体ばかりが大きく育つことがないようにしたいと思います。

「特選金魚の餌 星更紗 特小粒」は粒のサイズが小さいので、口の小さな当歳魚でも無理なく食べることができます。また、浮上性なので食べ残してもネットですぐに取り除くことができるのがよいと思います。基本的に、10分くらい経って食べ残しているようなら、エサはすべて取り除くようにしています。それ以上浮いたままにしておいたエサを後に食べても、栄養的にはあまり意味がないだけでなく、飼育水を汚してしまうからです。